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2009.09.01 ≪M&Aアドバイザー体験記8≫〜社員にとってのM&A〜(磯村)

 
 会社を譲渡する経営者にとって、不安はつきものです。会社を売却するということは、大きな決断です。悩まれるのは当然のことだと言って良いでしょう。その中で一番多く聞かれる質問が社員への開示のタイミングです。M&Aは社員にとっても人生の大きな転機となるからです。
 
 上手に開示を行えば、「社長は私たちの生活が不安定になることを考えてM&Aを決断してくれたのだな。この不景気の中、再就職も大変だし、ここまでしてくれた社長に恥をかかせないように、新しいオーナーの下で頑張ろう!」と社員はM&Aを前向きにとらえて感謝してくれることでしょう。
反対に、気持ちがきちんと伝わらなければ、「自分だけ良い思いして、私たちのことはどうでも良かったんだ。社員を売ったんだ。今まで会社に捧げてきた時間はなんだったのだろう。」ということにもなりかねません。
 
社員に開示する時に大切なことは思いやりです。「誠心誠意をもって社員と接する。」この一言につきます。経営者同様、売り手企業の社員は非常に不安定な心理状態になりがちです。様々な不安、寂しさ、コンプレックスを抱えています。このことをよく理解して情報を開示することが重要です。
 
先日、ある会社の経理部長からこのような言葉を頂きました。
「買い手の社長から、今回のM&Aの話を聞いた時は、正直複雑な心境でした。でも、いつも会社の数字を見ていて、会社の将来のことがとても心配していました。今回、M&Aを選択しくれた先代社長にはとても感謝しています。この年で就職活動をまた行うと思うとゾッとします。M&AはTVの中だけの話じゃなかったのですね。なんだか随分イメージが違いました。M&Aってこういう使い方もあるのですね。」
 

この会社はきっと成長していくでしょう。社員の心をつかんだからです。会社は一つの仕組みに過ぎません。そこに働く社員の心が宿ってはじめて機能するものです。何度も言いますが、社員の心を鷲掴みにし、M&Aを成功に導くためには、誠心誠意をもって社員と接することしかありません。 

 

コスモスコンサルティング  磯村 崇

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